Skip to Contents


Home > 採用情報 > THKのプロジェクトとはどのようなものか? > 開発編(リニアモータアクチュエーター開発)
THKのプロジェクトとはどのようなものか?
Project Story 開発編 リニアモータアクチュエータ開発 秒速12mデモ機 「想像を超える速さを」、世界最速のリニアモータアクチュエータ開発 技術本部 技術開発統括部 1999年入社 山中 修平  技術本部 技術開発統括部 1999年入社 古澤 竜二 

誰も踏み入れたことのない領域へ、 期待と不安が交錯する

イメージ

 「どうせやるなら、誰も作ったことのない世界最速、秒速12mのリニアモータアクチュエータを作ろう」。このプロジェクトは、イタリア・ミラノで開催されるEMO(欧州国際工作機械展)で、THKの高速対応LMガイドとリニアモータの技術を世界に向けてPRしようというのが目的だった。世界初へ挑んだのは、1999年同期入社の山中修平と古澤竜二。駆動源であるリニアモータは山中、直動案内部品のLMガイドは古澤が担当する。
 「搬送装置や電子部品の実装装置などで使われているリニアモータアクチュエータは、回転モータより格段に高速だが、それでも秒速4m程。12mはその3倍の速度。でも理論的には可能だ。ひとつ腕試ししてみよう」。入社以来約10年、リニアモータ関連の開発に携わってきた山中はそのときの気持ちを振り返る。
 一方、機械系出身の古澤には、「秒速12m・・・、厳しい値だ、でもやるしかない」という思いもあったという。以前から高速対応のLMガイドを研究してきたが、秒速12mは全くの未知の領域。業界水準をはるかに凌駕する速度であるために、試験機すら存在しない。しかし、アクチュエータはモータと案内するための機械要素部品が一体となってはじめて完成する。山中とのプロジェクトを成功に導くためには、何としても秒速12mを導くLMガイドを開発しなければならなかった。「先入観は捨て去って、あらゆる可能性を探ろう」、古澤は開発にとりかかった。

「世界初」の実現、 それぞれに新技術への挑戦が課せられた

 駆動源にリニアモータを選んだのは、高速化に適していているからだった。リニアモータは構造がコイルとマグネットととてもシンプルで、その分小さく軽くでき、速度が出やすい。しかも、磁石を繋げていけば、どんなに長いアクチュエータでも駆動させることができるため、産業界を中心に用途の拡大が見込まれる分野であった。ただ、いくら軽いといっても秒速12m、モータ自体の軽量化を極限まで追及する必要があった。当初は、鉄芯のコア付きタイプのリニアモータを想定していたが、大きな力が出る一方で重いため加速を出すことが難しかった。悩んだ末、山中は新たな方式を試すことにした。コアレス方式のリニアモータを採用したのだ。
イメージ
 一方の古澤。高速化には思い切った改良が必要だと直感していた。まずはLMガイドのボールに目を付けた。秒速12mの世界では、高速に回転しながら循環する、ボールの耐久性を大幅に向上させる必要がある。ボールの素材には通常鉄を使うのだが、世界最速リニアモータアクチュエータにはセラミックスボールを採用した。また、ブロック内部でのボールの循環形状に手を加え、超高速下における循環性を高めることに成功した。

試験でのアクシデント。 未体験の速度だけに想定外だった

イメージ
 構想から設計と進み、何とか試作、試験の段階までこぎつけた。アクチュエータ開発は電気と機械の二人三脚、山中と古澤は毎日のように進捗を確認し合って、互いの専門知識を交換し合いながらここまで進めてきた。試作は実に3回に及んだ。そして、残された時間が少ないなか、試験の日を迎えた。
 山中は願いを込めてコントローラのボタンを押した。見たこともない速さでアクチュエータが加速した、その瞬間「バチン!」という音とともに何かが飛んでいった。アクチュエータを据え付けるための固定部品の強度が足りず、弾け飛んでしまったのだ。未体験の速度だけに、全く想定外の失敗だった。古澤は改良を進め、ミラノへ発送する期限ぎりぎり、秒速12mリニアモータアクチュエータはついに完成した。

不安が感動に変わった瞬間。 創造開発型企業THKの真骨頂

イメージ
 2009年10月イタリア、ミラノ。EMOの会場に2人はいた。秒速12mリニアモータアクチュエータを披露する緊張の瞬間。部品が飛ぶという試験段階の失敗が一瞬頭をよぎった。「どっちがボタン押すか、譲り合ったよな」2人は笑って当時を振り返る。しかし、その不安はすぐに感動へと変わった。ボタンを押した瞬間、猛スピードでアクチュエータは駆動し始め、2人は安堵のため息を漏らした。しばらくして気付くと、周りには大きな人だかりができていた。世界最速に驚く関係者の表情に、これまでの苦労が吹き飛ぶような思いだった。
イメージ
 実はこの秒速12mという数値、業界の基準があったわけでも、お客様からの具体的な要求があったわけでもない、「だって秒速12mだったらびっくりするでしょ」。できるかわからないけど、面白そうだからやってみるのがTHK流なのだという。アクチュエータの高速化がもたらす生産性の向上は計り知れない。最近になって、液晶関連の搬送装置などでは秒速8m、10mというニーズが聞こえてきた。5年後、10年後に求められる製品を先取りの精神で開発する。「次は秒速何mにしようか」、市場ニーズのはるか先を常に走り続けるため、2人はまた新製品の構想を練っている。

エントリーはリクナビから

リクナビ2019