物流DX時代の倉庫自動化 THKの事例とソリューション

2025.12.24
Helpful Tips

物流DXが加速する今、倉庫の自動化は欠かせない投資領域です。THKは自社のメカトロ技術を活かし、保管・搬送・ピッキングまでをトータルに最適化できるソリューションを提供します。

物流DXとは、従来の物流システムを見直し、IT・デジタル技術を活用して物流業務の効率化・高速化やコスト削減を目指す取り組みのことです。単なる機械化やシステム導入にとどまらず、現場のオペレーション改革や働き方改善を伴う包括的な変革を意味します。物流DXの推進により、サプライチェーン全体で新たな付加価値の創出や競争力強化が期待されています。

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倉庫自働化の全体像

倉庫内の自動化は、大きく「保管」「搬送」「ピッキング・仕分け」の領域に分けられます。各工程でロボットや自動システムを導入し、人手作業を置き換えることで作業効率化や省人化を図ります。

保管(立体自動倉庫/シャトル)

倉庫の保管領域では、立体自動倉庫(AS/RS)やシャトルシステムといった自動保管ソリューションが活用されています。高さや奥行きを活かした高密度のラックに荷物を格納し、スタッカークレーンやシャトル(台車)によって入出庫を自動で行います。これにより、人手では難しい高所や奥まった場所への保管が可能になり、倉庫スペースを効率的に活用しながら迅速な入出庫を実現します。

搬送(AGV・AMR・GTP)

倉庫内での搬送作業では、AGV(無人搬送車)やAMR(自律走行ロボット)が用いられ、フォークリフトや台車による人手の運搬を自動化します。AGVは床面の磁気テープやマーカーに沿って決められたルートを走行し、AMRはセンサーや地図情報を用いて柔軟に移動して荷物を運びます。また、Goods To Person(GTP)方式により、ロボットやコンベヤーが商品棚やコンテナを作業者のもとへ自動で運搬し、ピッキングのための人の移動を削減します。

ピッキング仕分け

注文品のピッキング作業や出荷前の仕分け作業も自動化が進んでいます。デジタルピッキングシステム(DPS)や自動仕分け機の導入により、作業者はライトや音声の指示に従って正確かつ素早くピッキングでき、商品は高速で仕分けラインへ流されます。さらに、AI搭載のロボットアームが商品を掴むロボットピッキング技術も実用化が進んでおり、ピース単位のピッキング作業を自動化して作業人数を削減する事例も登場しています。

https://www.thk.com/opm/logistics/

物流・倉庫自動化の数字から見るメリット

生産性の向上

倉庫の自動化により、機械やロボットは人間と違って24時間無休で稼働し続けるため、生産性が飛躍的に向上します。特にピッキングや仕分けの自動化は作業ミスを減らし処理スピードを大幅に上げることができ、人手では1~2時間かかっていた作業が数十分で完了するケースも少なくありません。実際に、自動化導入によってピッキングスピードが従来の3倍に向上した事例も報告されています。

コストの削減(省人化によるコスト効率)

倉庫自動化は、人手に頼っていた作業を機械化することで必要な人員を減らし、人件費を大幅に削減できます。ロボットは深夜や休日も稼働できるため、深夜割増賃金や繁忙期の臨時要員にかかるコストを抑えられ、突発的な人手不足のリスクも軽減します。初期投資こそ必要ですが、長期的には省人化によるコスト効率向上で投資回収(ROI)が期待できるでしょう。

安全性の向上(労働災害リスクの低減)

重量物の搬送や高所作業など危険を伴う工程をロボットに任せることで、作業者の負傷リスクを大幅に低減できます。自動搬送ロボットが重い荷物を運べば腰痛や過労を防止でき、自動ピッキングシステムで高所作業をなくせば墜落事故の心配もありません。これにより労災事故の発生率が減少し、作業者にとって安全で安心な労働環境を実現できます。

自働化・省力化のステップ

現状レイアウト×データ可視化

最初のステップとして、倉庫内の現状レイアウトや作業動線を把握し、作業データを可視化することから始めます。倉庫のレイアウト図や棚配置、日々の入出庫量、人や台車の移動距離などを洗い出し、ムリ・ムダな工程がないかデータに基づいて分析します。現在の業務を見える化することで、自動化すべきポイントや改善余地が明確になります。

シミュレーションとROI算定テンプレ

現状データをもとに倉庫オペレーションをシミュレーションし、導入する自動化システムの効果を事前に検証します。デジタル上でAGVの台数や経路を変化させながら処理能力や待ち時間を試算することで、ボトルネックが解消されるかを確認できます。さらに、ROI(投資対効果)算定用のテンプレートを使い、導入コストに対して削減できる人件費や生産性向上による利益を数値化して、何年で投資回収できるかを評価します。

小規模PoC設計と評価指標

計画策定後は、いきなり全面導入するのではなく小規模なPoC(概念実証)を設計・実施します。倉庫内の一部エリアや限定した工程で試験的に自動化システムを導入し、実際の現場での動作や効果を確認します。その際、処理速度や正確性、省人化率など評価指標(KPI)を設定し、PoC結果を測定・分析して本格導入の判断材料とします。

物流自働化 課題と解決策

初期導入コストの高さ

自動化設備は導入コストが高額で、初期投資のハードルが課題となります。その解決策として、効果の高い領域から段階的にシステムを導入していく方法があります。

倉庫の柔軟性

一度自動化設備を導入すると、将来のレイアウト変更や需要変動への柔軟な対応が難しくなる場合があります。固定式のコンベヤーや巨大な自動ラックは変更に手間とコストがかかるため、モジュール式で拡張しやすいシステムや、AGV・AMRのように経路や配置を柔軟に変更できる自律移動ロボットを採用する方法が有効です。

倉庫の安全性

大型機械やロボットが稼働することで、新たな安全リスクが生じる可能性があります。人と機械が混在する現場では、衝突や挟まれ事故を防ぐ対策が不可欠です。解決策として、安全柵の設置やセンサーによる緊急停止機能の導入、作業員への安全教育徹底などを行い、自動化システムと人が安全に共存できる環境を整備します。

安全規格

自動化機器を導入する際には、関連する安全規格や法令への適合にも注意が必要です。例えば産業用ロボットにはISOやJISの安全基準が定められており、適切なセーフティ設計やリスクアセスメントを実施して基準を満たす必要があります。

人材

自動化を進めると、現場の人材面でも課題が生じます。解決策として、従業員への十分な教育・訓練を行い、ロボットの操作やメンテナンススキルを身につけてもらいます。また、省力化で生まれた余力は在庫管理や品質改善など付加価値の高い業務に振り向け、人は人にしかできない業務に注力できるようにします。

THKの倉庫自働化導入事例

自動車関連工場でのAGV更新

10年前から使用していたAGVの更新時期を迎えた自動車関連工場では、磁気テープのメンテナンス負荷や半屋外での使用環境に課題がありました。​SIGNASの導入により、磁気テープレス化を実現し、メンテナンス作業の削減と工場内の美観維持が達成されました。

https://www.thk.com/opm/logistics/solution1/

物流倉庫での人手不足解消

物流サービス業を行う企業では、借用施設での自動化を検討していました。SIGNASの導入により、床面の改修不要で自動搬送を実現し、省力化と人手不足の解消に成功しました。

https://www.thk.com/opm/logistics/solution2/

ロボットピッキング作業人数削減

寒冷環境下での倉庫では、低温下でのピッキング作業に従事する作業者を安定確保することが難しいという課題がありました。そこでTHKのピッキングロボットハンドシステム「PRS」を導入し、ロボットによる自動ピッキングで作業を行うようにしました。その結果、必要な作業人数を大幅に削減でき、ピッキングの正確さも向上しました。

https://www.thk.com/opm/logistics/solution4/