ブックタイトルTHKアニュアルレポート2018

概要

THKアニュアルレポート2018

事業レビュー＞事業別の概況市場拡大に向けた新たな取り組み～OMNI edge始動～産業機器事業輸送機器事業次世代の自動車産業の担い手として製造業では、高齢化などにより離職が進み、労働力不足の深刻化が懸念されています。その一方で自動設備を含めた製造装置の保守・予兆検知は、熟練作業者の手作業に依存しているというのが現状です。このような製造業における課題を解決すべく、THKのLMガイドをはじめとする直動部品の状態を可視化するセンシング技術に加え、NTTドコモ・シスコシステムズとの連携により、設備の予兆検知の新サービス「OMNI edge」の商用化に向けた準備を開始しました。輸送機器事業では、THK創業時からの主力製品であるリンクボールを中心に事業を展開する中、2007年にはリズム社（現THKリズム）を買収しました。2015年には米国の旧TRWAutomotive Inc.よりL&S（リンケージアンドサスペンション）事業を譲り受け、THK RHYTHM AUTOMOTIVE（TRA）としてつながるConnected“CASE”自動運転AutonomousOMNI edgeとはグループ化しました。輸送機器事業ではこうして得たグローバルな事業基盤を活かし、独立系グローバルサプライヤーとして自動車産業に貢献しています。後付け可能なTHKのセンサーをLMガイドをはじめとする機械要素部品に取り付けることにより、それらの損傷・潤滑状態を可視化し分析結果をお客様に返すプラットフォームです。予「THK SENSING SYSTEM」イメージ図〈コンセプト〉・LMガイドの状態を定量化するL&S事業の拡大と自動車向け新製品の拡充現在、100年に一度の変革の時代を迎えている自動車産業では、「CASE」が次世代の姿を示すキーワードと言われています。CASEとはConnected（つながる）、Autonomous（自動運転）、Shared（共有）、Electric（電動化）の単語の頭文字をつなげたものであり、これらの要素が連動して革新的な技術やサービスが生まれ、異業種を交えた大きな変化の波が起きようとしています。そのような中、既存のL&S事業では、THKリズム及びTRAを中核として新規取引の拡大に向けて販売活動を積極化すると同共有Shared電動化Electric兆検知サービスの提供によりお客様の生産性向上と全体コストの低減に貢献することに加え、当社製品の信頼性が可視化されることにより新興メーカーに対する優位性が高まることにもつながります。さらに、他の機械要素部品メーカーの参〈特長〉・LMガイドの状態（損傷・潤滑）を数値化できる・既存設備に後付けすることができる〈基本構成〉時に、獲得した大型の新規案件に向けた増産投資を世界各地で実施しています。一方、自動車向けの新製品においては、次世代のL&Sシステムのほか、ステアリングやブレーキ、サスペンションなど様々な機構における直動製品の採用拡大に向けた取り組みを進めています。今後もCASEを追い風に直動製品の需要の拡大が見込まれる中、これらの採用拡大に向けた開発・販売活動をさらに加速していきます。画に加え、大手機械装置メーカーが展開しているIoT基盤のサービスへの接続により様々な環境や用途からビッグデータを構築することも可能です。これにより予兆検知サービスのセンサモジュールケーブル上位システムへ向上は勿論、さらなるソリューションに展開することができます。アンプ輸送機器事業における取り組み主な取り組みL&S事業拡大への取り組みTHKリズムとTRA相互の販売力・生産力を活かした受注活動の展開強化自動車向け新製品開発への取り組み“CASE”を追い風に自動車向け新製品の開発を加速大型案件に向けた増産投資THKリズム常州（中国）増築新工場2019年完成予定THK RHYTHM NORTH AMERICA（アメリカ）増築新工場2019年完成予定今後の広がりTHK RHYTHM MEXICANA（メキシコ）増築新工場2018年完成THKリズム九州（日本）増築新工場2019年完成搬送用ロボット射出成形機自動包装機※その他多くの一般産業向け装置への展開を予定しています。生産拠点：14開発拠点：124 THK ANNUAL REPORT 2018 THK ANNUAL REPORT 2018 25