高速ローラーリング 製品取扱い上の注意事項
取扱い
- 質量(20kg以上)のある製品を運搬する際は、2人以上または運搬器具を使用して行なってください。けがや破損の原因となります。
- ローラーリングの分解はしないでください。
- ローラーリングを落下させたり、叩いたりしないでください。けがや破損の原因となります。また衝撃を与えた場合、外観に破損が見られなくとも機能を損失する可能性があります。
- 製品を扱う場合は、必要に応じて保護手袋、安全靴等を着用して安全を確保してください。
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RT形を装置から取り外す際には、内輪が分離しないよう分離防止ボルトを取り付けてください。
呼び形番 分離防止ボルト(六角穴付きボルト) RT228(G) M3×12L 4本 RT297(G) M4×12L 4本 RT445(G) M5×16L 4本 RT665(G) M6×20L 4本
使用上の注意
- 切り粉やクーラントなどの異物の流入のないようご注意ください。破損の原因となります。
- 切り粉、クーラント、腐食性のある溶剤、水などが製品内部に流入する恐れのある環境下で使用される場合は、ジャバラまたはカバー等により製品への流入を防いでください。
- 微揺動の場合は、転動面と接触面に油膜が形成されにくく、フレッチングを生じることがあります。定期的にローラーリングに数回転程度の動作を加え、転動面と転動体に油膜を形成させることを推奨します。
- 製品に位置決め部品(ピン、キー等)を無理に打ち込まず静かに圧入してください。衝撃を与えると転動面に圧痕が生じ機能を損失する原因となります。
- ハウジングへの取付けにおいて、内輪固定の場合は内輪、外輪固定の場合は外輪をハンマリングしてローラーリングを挿入ください。可動(回転)側をハンマリングすると破損する可能性があります。
- 取付部材の剛性および精度が不足すると、軸受の荷重が局部的に集中し、軸受性能が著しく低下します。したがって、ハウジングや軸の剛性・精度、固定用ボルトの強度について十分検討ください。
- モータ・ギアからの発熱によって精度・回転トルク・寿命などローラーリングの性能が低下する場合があります。発熱箇所とローラーリングとの距離を十分にとり、必要に応じて冷却機構を設けてください。
- ハウジングが非対称形状の場合、ローラーリングの熱変形も非対称となります。それによりローラーリングの偏荷重が増加し、精度・回転トルク・寿命などローラーリングの性能が低下する場合があります。
- 内外輪の温度が60℃以下となるようご使用ください。
- 回転トルクは回転速度、温度、グリースの種類、荷重条件などにより変化しますのでご注意ください。
- 本カタログに記載されているローラーリングの性能は、規定の予圧における値となります。はめあい、周辺部品の剛性・加工精度、内外輪の温度差などの影響により予圧が変化した場合、ローラーリングの性能が変化する可能性があります。
潤滑
- 異なる潤滑剤を混合しての使用は避けてください。増ちょう剤が同種類のグリースでも、添加剤などが異なることにより、お互いに悪影響を及ぼす恐れがあります。
- 常に振動が作用する箇所、クリーンルーム、真空、低温・高温などの特殊環境下で使用される場合は、仕様・環境に適したグリースをご使用ください。
- 温度によりグリースのちょう度および基油動粘度は変化します。それらの変化によってローラーリングの回転トルクが変化しますのでご注意ください。
- ローラーリングには、P.8に記載の標準グリースが封入されているためそのまま使用できますが、良好な潤滑状態を維持するため定期的な給脂が必要です。外輪に設けられた給脂穴から、3~6ヶ月を目安に潤滑剤を内部全体に行き渡るように給脂してください。最終的な給脂間隔・量は実機にて設定願います。またグリースが満杯になるとグリース抵抗により、初期回転トルクが重くなることがあります。慣らし運転により余剰グリースは排出され、適正なトルクとなります。
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初期運転時やグリース再給脂時には、以下に示すような慣らし運転を実施してください。また、慣らし運転時には内外輪の温度が60℃以下となるようにしてください。
慣らし運転方法 1. 装置の上限回転数までを3~4段階に分け、低速から運転を開始 2. 各回転数で軸受周辺の温度が定常温度となるまで、運転を継続 - 装置周辺のグリースによる汚染を気にされる場合は、周辺部品の構造について十分考慮する必要があります。
- 特殊なグリースまたはグリース潤滑以外で使用を検討される場合はTHKまでお問い合わせください。
保管
ローラーリングは、弊社の梱包および荷姿で、高温、低温、多湿を避け、水平な状態で室内に保管してください。長期間保管された製品は内部の潤滑剤が経時劣化していることがありますので、潤滑剤を再給脂してからご使用ください。
廃棄
製品は産業廃棄物として適切な廃棄処置を行なってください。