2025年06月18日
CSR
安全生産ゼロ災!無錫工場の取り組みと安全管理者の想い
- 安全管理
- 安全生産
- ゼロ災
- 安全教育

THKグループでは「安全で快適な労働環境の形成に努める」という方針を掲げ、負傷および疾病につながることのない作業環境を整備しています。THKの生産拠点の一つである無錫工場は、中国の江蘇省無錫市新呉区に位置し、55,256m²の敷地面積を有しています。現在約600人の従業員が働いており、LMガイドのHSR形、SSR形、SRS形、HRX形などの製品を製造しています。無錫工場では「安全生産ゼロ災」を掲げ、安全管理と従業員一人ひとりの安全を守るための取り組みを実施し、2024年に無錫市新呉区旺荘街道から「2023年度安全生産優秀企業」の表彰を受けました。今回は無錫工場が「安全生産ゼロ災」を実現するための具体的な取り組みをご紹介します。
制度構築:安全管理の土台を固める
安全な生産活動を支えるために、安全生産責任制度と安全管理制度の両方を徹底して実施しています。 安全生産責任制を整備することで、管理者や従業員一人ひとりに対して具体的な責務を明確化しています。また、安全管理制度により、エリア別に安全リスクを段階的に管理し、詳細なリスク分布図を作成することで、全従業員が作業エリアの危険度を把握できる体制を整えました。すべての作業工程で安全操作規程を策定し、安全な生産活動の基盤を確立しています。

人財教育:安全チームの育成
制度の要は「人」の実行力にあります。無錫工場は常に人財教育を安全管理の中心に位置付けています。新入社員には入社時より多様な研修を通じて正しい安全意識・技能の習得を徹底しています。同時に、火災・感電・機械損傷などの突発事故を想定した緊急対応訓練を実施し、従業員の危機管理能力を向上させています。さらに、緊急時におけるAEDなどを使用した迅速かつ適切な行動を教育することで、事故が起こってしまった場合でも被害を最小限に抑える体制を整えています。

特殊作業の管理:高リスク作業の安全防衛ライン
高所作業、閉鎖空間、材料搬送関係のクレーン作業、フォークリフト作業、機械搬入や移動、設備のオーバーホールなどの高リスクを伴う特殊作業に対して、厳格な審査管理プロセスを実施しています。各特殊作業実施前には必ず詳細なリスク評価を実施し、周到な安全対策の策定と厳格な審査手続きを行っています。さらに、作業員へ専門的な安全防護器具を装備させるとともに、専任の監視員を配置しています。これらの高リスク作業が管理可能な範囲で、安全に実施される環境を確保し、高リスク作業の安全防衛ラインを厳しく守っています。

安全活動と研修:意識向上の継続的取り組み
従業員の安全意識を継続的に強化するため、無錫工場では毎年6月に「安全強化月間」を実施しています。安全知識コンテストや技能競技会、安全スローガン募集、緊急訓練など多様な活動を通じて、安全文化を育成し、安全理念を浸透させています。さらに毎月「危険予知訓練(KYT)」を開催し、従業員が日常業務の中で潜在リスクを自主的に発見して改善策を提案する仕組みを構築しています。これにより、事故を未然に防止する取り組みを徹底しています。

安全提案と日常管理:全員参加 によるコミュニケーションの活性化
無錫工場は安全管理が経営層だけではなく、従業員全員の責務であることを深く認識しています。このため、業務中のヒヤリハット事例や潜在リスクに対する安全改善提案を積極的に奨励し、有効な提案には相応の報奨と表彰を実施することで、従業員の安全管理への参加意欲を喚起しています。2024年度は1,004件の提案があり、そのすべてが現場で採用されました。日常管理では経営層による月次安全パトロールを実施し、課題の早期発見・解決を推進しています。また、毎日の安全当番制度で作業環境を点検し、現場の安全確保を徹底しています。毎月の安全会議では各種安全管理活動の進捗報告と総括を行い、継続的改善を通じた安全管理レベルの向上に取り組んでいます。

安全を守るシステム:本質安全レベルの向上
機械の危険箇所に侵入検知センサーを設置し、異常時には即時自動停止するシステムを導入しています。設備の本質安全化に投資し、従業員が安心して作業できる環境を構築しています。

これら取り組みの結果、「2023年度安全生産優秀企業」を受賞することができました。
表彰を受けて安全管理者の想い
今回の表彰を受けて、無錫工場の安全管理の担当者に、取り組みに対する想いと今後の活動について伺いました。


安全管理は従業員の命と企業資産を守る基盤であるだけではなく、持続可能な企業発展の要です。私たちは「安全の核心は未然防止にある」という認識のもと、「安全第一に、予防を主軸に」という理念を従業員一人ひとりの心に根付かせるよう活動してきました。経営陣の積極的な支援により、安全対策に関する予算を拡充し、設備の本質的安全を向上させることができました。現在も堅固な安全基盤を構築し、これを礎に、体系的な安全管理システムの構築に全力を注いでいます。この度の栄誉は、政府関係部門から過去の取り組みを認めていただいた証であると同時に、今後のさらなる成長への激励と受け止めています。今後も安全管理の深化に努め、水準の継続的向上を図っていきます。
今後の具体的な取り組みとして、①安全教育訓練の強化による従業員全体の安全意識の向上、②安全生産責任制の徹底的な実施による「全員参加型」安全文化の育成、③徹底した現場管理による事故リスクの未然排除、④緊急訓練の充実による「全員対応可能」な危機管理体制の構築という4本柱を軸に、継続的な改善を推進していきます。