スキルマップを一元管理して計画的な育成や配置を実現！「スキル管理AIソリューション」

近年、工場の生産設備は自動化やIoT、AIなど先端テクノロジーの導入が進められています。一方で、設備のオペレーションや保守・メンテナンスなどを行う人財に関しては、設備の老朽化や複雑化による要求スキルの高度化、ベテラン社員の退職による技術伝承の遅れなど、様々な問題が顕在化しています。この記事では、製造業の現場で直面する人財に関する問題や課題にフォーカスしたスキルマネジメントシステム「スキル管理AIソリューション」についてご紹介します。

OEE（設備総合効率）最大化プラットフォーム　OMNIedgeとは

機械要素部品メーカーであるTHKは、2020年からデジタルの力を活用しながら製造現場のさまざまなロスを削減するIoTソリューションを提供してきました。それがOEE（設備総合効率）最大化プラットフォームのOMNIedgeです。

OMNIedgeの第1弾は、LMガイドやボールねじなどの直動部品向けにサービスを開始し、続く第2弾ではポンプやファン、ギアボックスなどの回転部品に対応範囲を広げ、部品の予兆検知ソリューションをリリースしました。第3弾としては、加工機を使用するお客様向けに工具交換や加工不良によるロスを削減する工具監視AIソリューションを開発しました。

OEEの向上には、現場で発生する設備に関するロスの削減だけではなく、人に関するロスの削減も必要です。

生産現場の効率化を阻害する16大ロスのイメージ — 生産現場の効率化を阻害する16大ロス

そこで、製造業において従来Excel等で管理されてきたスキルマップ（力量管理表）を一元的に管理・運用することのできるクラウドサービス「スキル管理AIソリューション」の提供を第4弾として開始しました。

スキル管理AIソリューションとは

スキル管理の課題

スキルマップは、「業務において必要な各スキルを、誰がどのレベルで持っているかを一覧にした表」であり、国際的な品質マネジメント規格であるISO 9001の要求事項においても従業員の力量管理が求められています。スキルマップは組織の不足しているスキルを把握でき、教育計画の作成などに役立つ一方で、従来の紙やエクセルでの管理が定着した結果、現場からは以下のような課題が挙がっていました。

Excelや紙でのスキル管理は負担が大きく形骸化している
重要なスキルや不足するスキルを把握できておらず、技能伝承や多能工化が進まない
欠員対応や人材配置が上司の記憶頼り
資格の更新時期を把握できていない

スキル管理AIソリューションの導入メリットと効果

本ソリューションは、組織全体のスキル・資格・認定、業務経歴、教育履歴を一元的にクラウド上で管理・運用できるスキルマネジメントシステムです。部門や職場のスキルの見える化により、人材育成や配置、技術力の強化を実現できます。

例えば、分析機能を使って喪失リスクの高いスキルを特定し、後任者の育成計画立案や進捗状況を可視化して技能伝承・多能工化を進めることができます。また、製造ラインの新規立ち上げや生産設備の突発故障が発生した際に、組織横断で最適な人材を見つけて人員配置の最適化もサポートします。その他、資格の有効期限切れが近い場合は、自動でアラートを通知して更新漏れを未然に防ぎます。OMNIedgeの部品予兆検知AIソリューションと組み合わせることで、予兆を検知したらスキルデータを元に最適な担当者にメンテナンスの指示を出すことにも活用できます。