2024年10月30日
製品
人手不足にロボットを導入!でも安全?
- コラム
- 搬送ロボット
- ヒューマノイドロボット
- 知能ロボット
- サービスロボット
- ヒューマノイド
- 自動化
- 先端科学
レストランや空港、商業施設など、さまざまなところで活躍するサービスロボット。狭い通路のレストランでも広い空港ラウンジでも、巧みに人や障害物を避けながらロボットは走行しています。このロボットたちは、どうやって自分の居場所や走行ルートがわかるのでしょうか?
頼りになるGPSも地図もない
自動車であればGPSとカーナビを使って現在地や目的地までのルートが分かりますが、GPSの電波が遮断されてしまう屋内のロボットはGPSが使用できません。しかし、自律走行するためには少なくとも現在地を把握する手段と、目的地まで移動するための地図が必要です。
例えば、人が少ない場所や工場で移動する搬送ロボットには決められたルートを決められた通りに移動することが求められるので、床に貼った磁気テープをセンサーで検知しながら動く方式が多く採用されています。一方、レストランや空港ラウンジはたくさんの人が行き交うため、必然的にロボットと人との距離が近くなります。サービスロボットは周囲を見ながら衝突しないよう、避けるためにルートを変えたり、時には停止したりすることが必要です。
このような人込みの中で動くロボットは一体どんな技を持っているのでしょうか。
地図がなければ自分で作ってしまうロボットたち
GPSの電波も届かない、あらかじめ用意された地図もない、それなら、ということでサービスロボットは自分で地図を作ることができます。
ここで登場するのが自動車の無人運転でも活躍するLiDAR(ライダー)※というセンサーです。
LiDARはレーザー光を照射し、壁などの障害物に反射して戻ってくる光を情報として、反射物の形状や距離を測定するものです。走行する可能性があるエリアを隅々までカバーするよう、リモコンを使ったマニュアル操作でロボットを動かし、2次元もしくは3次元の地図をロボット自ら作ることができます。
地図を作成する時だけでなく、移動する時もレーザー光を照射することで、地図作成時にはなかった障害物の検知も行うことが可能です。これにより、レストランや空港ラウンジのように不特定多数の人が行き交う場所でも、ルート上に障害物や人の動きがあれば避けながら走行することができます。
※LiDARとは、""Light Detection And Ranging"" の略で、レーザー光を照射して壁などの障害物に反射して戻ってくる光を情報として、反射物の形状や距離を測定するものです。
自動車の無人運転の場合、LiDARは最低でも2個以上使われていますが、ロボットの場合は1個または2個使用されています。
ガラスが見えない!
LiDARのレーザー光を使って地図を作り、レーザー光を照射しながら走行することで、障害物を避けながら自分の位置を把握して目的地までのルートを走行する。一見、これで自律走行が可能なように思えますが建物内には難題が潜んでいます。そのひとつがガラスです。レーザー光は光線なので、ガラスを透過してしまいます。つまり、そこにガラスがあることがわからないのです。
例えば走行ルート上にガラスのドアがある場合、ロボットがドアに向かって走行してもレーザー光はガラスを透過してしまい、ガラスのドアを認識できず何もないと判断してしまいます。ガラスのドア以外にも最近のデザイン性が高い建物は壁面ガラスであったり、エスカレーターの壁がガラス製であったりとガラスが多用されているため、この対策が必要となります。
ガラス以外にも、鏡面仕上げされたような金属の壁も苦手です。LiDARはレーザー光を照射して壁や障害物に反射して戻ってきた光を検知していますが、鏡で光の向きを変えられるのと同様に鏡面仕上げされた金属にレーザー光が当たるとレーザー光は意図していない方向(角度)に反射してしまいます。この時LiDARは光が戻って来ないので、障害物があるにも関わらず検知範囲に障害物なしと判断してしまいます。
レーザー光以外のセンサーを追加
LiDAR単体では上記の課題がありますが、超音波センサーを追加してガラスを検知したり、レーザーではなくカメラによる映像で地図を作成したりするなど、さまざまな方法が実用化されています。コストと性能を考慮して、使用環境に適したセンサーを組み合わせることが一般的になっています。このようにサービスロボットはさまざまなセンサーを上手に活用することで、障害物や人にぶつかることなく安全に働くことができるのです。
THKが提案するSEED-Moverはさまざまなデバイスを搭載して、カスタマイズ可能なプラットフォームロボットとしてご提供しています。SEED-Moverをロボット走行部のユニットとして使用いただくことで、走行部以外の開発に注力することが可能です。
ロボットに迷ったらTHKへ
業務改革に合わせてロボットの導入・最適化に迷ったら、その想いをTHKまでご連絡ください。ロボットは走行するだけでなく、周囲を見る「眼」となる部分、何かを掴んで作業する「手」となる部分など、さまざまなメカニズムやシステムの集合体となります。逆に言えば、これらの組み合わせで世の中になかった全く新しいロボットも実現可能です。最適なロボットを探すのではなく、業務改革に必要な理想のロボットに仕上げる、という発想の転換も是非ご検討ください。
「フレキシブル次世代搬送ロボットSIGNAS」の動画はこちら(YouTube)
「ロボットと一緒に働いてみませんか ヒト型協働ロボットNEXTAGE Fillie」の動画はこちら(YouTube)
問い合わせ先
FAソリューション営業本部
「SEED Solutions」に関するお問い合わせフォーム