ETの選定方法
ETの選定方法
回転軸の選定の際は、使用する条件の慣性モーメント、負荷トルクを算出し、許容慣性モーメント、最大出力トルクを超えないように選定ください。
下記の参考・代表的な慣性モーメントの算出式にて、ご使用になるワークおよび取付け治具の慣性モーメントを算出してください。
選定手順
慣性モーメント(イナーシャ)の算出
算出した慣性モーメントが機種の許容慣性モーメントを満たすか確認します。
-
算出慣性モーメント < 許容慣性モーメント
使用可能です。
-
算出慣性モーメント ≧ 許容慣性モーメント
使用できません。
機種変更もしくは、質量、回転半径を小さくしてください。
各機種の許容慣性モーメントは「角速度と許容慣性モーメント 関係図」をご確認ください。
算出したトルクが機種の最大出力トルクを満たすか確認します。
-
算出トルク < 最大出力トルク
使用可能です。
-
算出トルク ≧ 最大出力トルク
使用できません。
機種変更もしくは、質量、回転半径を小さくしてください。
各機種の最大出力トルクは「角速度と出力トルク 関係図」をご確認ください。


テーブル
- 直径:D[m]
- 高さ:L[m]
- 質量:m[kg]
ワーク
- 直径:D1[m]
- 高さ:L1[m]
- 質量:m1[kg]
- 個数:n[個]
密度:ρ[kg/m3]
(注意)
- ワーク形状、質量は全て同一とします。
- ワークの位置は、中心より全て等間隔とします。


-
直方体:
奥行 A[m], 高さ B[m], 幅 C[m], 質量 m1[kg]
-
立方体:
奥行 A[m], 高さ A[m], 幅 A[m], 質量 m2[kg]
-
密度 :
ρ[kg/m3]
円柱の慣性モーメント


-
外径:
D[m]
-
長さ:
L[m]
-
質量:
m[kg]
-
密度:
ρ[kg/m3]
中空円柱の慣性モーメント


-
外径:
D1[m]
-
内径:
D2
-
長さ:
L[m]
-
質量:
m[kg]
-
密度:
ρ[kg/m3]
直方体の慣性モーメント


-
奥行:
A[m]
-
幅 :
B[m]
-
高さ:
C[m]
-
質量:
m[kg]
-
密度:
ρ[kg/m3]
回転中心と重心がずれる物体の慣性モーメント


-
直方体:
奥行 A[m], 高さ B[m], 幅 C[m], 質量 m[kg]
-
立方体:
奥行 A[m], 高さ A[m], 幅 A[m], 質量 m[kg]
-
密度 :
ρ[kg/m3]
-
I < 許容慣性モーメント………
使用可能です。
-
I ≧ 許容慣性モーメント………
使用できません。機種変更もしくは、質量、回転半径を小さくしてください。
各機種の許容慣性モーメントは「角速度と許容慣性モーメント 関係図」をご確認ください。
水平使い(底面取付け)時のトルク計算
T1 = (I × ω' + 外部トルク)×安全率
-
I :
慣性モーメント [kg・m2]
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ω′ :
角加速度 [rad/s2]
安全率につきましては1.5以上確保してください。
-
例)
外部トルク(摩擦トルク)
外部トルク= μ・m・g・r -
m :
ワーク質量 [kg]
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g:
重力加速度 [m/s2]
-
μ :摩擦係数
ET20:0.020
ET35:0.017 -
r:回転テーブル半径
ET20:29[mm]
ET25:34[mm]
算出したトルクが機種の最大出力トルクを満たすか確認します。
-
T1 < 最大出力トルク
使用可能です。
-
T1 ≧ 最大出力トルク
使用できません。
機種変更もしくは、質量、回転半径を小さくしてください。
各機種の最大出力トルクは「角速度と出力トルク 関係図」をご確認ください。

水平使い(側面取付け)時のトルク計算
T2 = ( m·g·r + Iω' + 外部トルク)×安全率
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m :
ワーク質量[kg]
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g :
重力加速度[m/s2]
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r :
半径[m]
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I :
慣性モーメント[kg・m2]
-
ω′ :
角加速度[rad/s2]
安全率につきましては1.5以上確保してください。
算出したトルクが機種の最大出力トルクを満たすか確認します。
-
T2 < 最大出力トルク
使用可能です。
-
T2 ≧ 最大出力トルク
使用できません。
機種変更もしくは、質量、回転半径を小さくしてください。
各機種の最大出力トルクは「角速度と出力トルク 関係図」をご確認ください。

角速度と許容慣性モーメント 関係図
ET20

ET35

角速度と出力トルク 関係図
ET20

ET35

モータ軸回転数と内部抵抗トルク 関係図
ET20

ET35

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注)
低温環境(10℃以下)では内部の抵抗が増加します。
そのため、選定の際は安全率を高くとることを推奨いたします。