球面軸受は球面すべり部に、二硫化モリブデンの固体潤滑皮膜が焼付処理されているので、静負荷、低速揺動運動や間欠回転運動などの場合は、無給油でも比較的長時間使用することができますが、一般的にはグリース潤滑で定期的に給脂する必要があります。重荷重負荷の場合は、二硫化モリブデン含有のリチウム石けん基グリースの使用をご検討ください。球面軸受には軸受内で潤滑油の流れを良くするため、内輪、外輪に油溝および給脂穴を設けてあります。

給脂間隔

球面軸受は潤滑油が塗布されていない状態で納入しますので、軸受取付後に適量のグリースを供給する必要があります。軸受周囲の空間にもグリースを充てんすることをお奨めします。また、始動時の摩耗を軽減し寿命を延ばすために、始動時には給脂間隔を短くすることをお奨めします。
球面軸受の給脂間隔は荷重の大きさ、振動の頻度、その他の条件によって変わってきます。表1の値を目安に給脂を行ってください。

表1 給脂間隔
荷重の種類 給脂の必要最小間隔
一方向荷重 G/ 40
変動荷重 G/180

G:軸受寿命(総揺動数または、総回転数)

取付手順とメンテナンス