取付面の設計

取付面の設計

LMガイドを取付ける装置で、特に高精度を要求される場合、LMレールを高精度に取付ける必要があります。その際に、つぎの点に注意して取付面を設計するようにしてください。

すみの形状

LMレールやLMブロックを取付ける面のすみの形状が、LMレールやLMブロックの面取寸法より大きなR形状などで加工してあると、突きあて面に正確に突きあたらない場合があります。従って、形番毎に記載しております“すみの形状”に注意して設計するようにしてください。(図2)

突きあて面の直角度

LMレールやLMブロックを取付ける面と突きあて面との直角度が出ていないと、正確に突きあて面に突きあたらない場合があります。従って、取付面と突きあて面の直角度の角度誤差にご注意ください。(図3)

突きあて面の寸法

突きあて面の設計の際、突きあて面の高さ・厚さに注意してください。高さは、高すぎるとLMブロックなどと干渉する危険があり、また、逆に低すぎるとLMレールやLMブロックの面取りにより、正確に突きあてができなくなります。また、厚さが薄い場合、横荷重を受けたときの剛性不足や横押しボルトで位置決めを行う際の突きあて面の剛性不足により、精度不良をおこすのでご注意ください。(図4)

突きあて面と取付穴までの寸法公差

LMレールやLMブロックの突きあて面と取付穴までの寸法公差が大きすぎると、正確に突きあてができなくなりますので、ご注意ください。通常、形番にもよりますが、±0.1mmを目標にしてください。(図5)

取付タップの面取り

LMレールを取付ける際、取付面にタップ加工を施す必要があります。そのとき、そのタップ加工部の面取りが大きすぎたり、小さすぎたりすると、精度に影響が出る場合があります。(図6)

面取寸法の目安
 面取径D=ボルトの呼び径+ピッチ

 例 M6(ピッチ:1)の場合
   D=6+1=7

基準側LMガイドの表示と組合わせ

基準側LMガイドの表示

同一平面上に組込まれるLMレールはすべて同一製造番号が印字されています。そのうち製造番号の末尾に「KB」とマークされているLMレールが基準側となり、LMブロックには規定の精度に仕上げられた基準面が設けてありますので、テーブルの位置決め側として使用します。(図21参照)
ただし、並級精度の場合に限り「KB」の表示はありませんので、同一番号であればどのLMレールでも基準側として使用できます。

基準面の表示

LMガイドの基準面の表示は、図22のようにLMブロックはTHKマークの反対側、LMレールは線引きマーク側が基準面となります。使用上どうしてもLMレールとLMブロックの基準面の位置関係を逆にしたい場合や、グリースニップルの向きを反対側にする必要がある場合はご指示ください。

LMレールとLMブロックの組合わせ表示

LMレールとLMブロックに表示されている製造番号は同一番号で組合わされています。LMレールからLMブロックを分離させる必要がある場合は、必ず同一番号が同じ向きとなるように確認してから再度組合わせてください。(図23)

継ぎ使用

LMレール長尺の場合には継ぎ方式で製造しますが、この場合LMレールの継ぎは図24に表示された継ぎマークに合わせて組付けてください。
また、2軸並列使用でLMレールを継ぎ合わせる場合には、並列に組合わされる2setは線対称(勝手違い)の組合わせになるように製作します。