LMローラー 製品取扱い上の注意事項
取扱い
- 各部を分解しないでください。機能が損失する原因となります。
- LMローラーを落下させたり、叩いたりしないでください。けがや破損の原因となります。また、衝撃を与えた場合、外観に破損が見られなくとも機能を損失する可能性があります。
- 製品を扱う場合は、必要に応じて保護手袋、安全靴等を着用して安全を確保してください。
使用上の注意
- 切り粉やクーラントなどの異物の流入のないようご注意ください。破損の原因となります。
- 切り粉、クーラント、腐食性のある溶剤、水などが製品内部に流入するような環境下で使用される場合は、ジャバラまたはカバー等により製品への流入を避けてください。
- 切り粉などの異物が付着した場合は、洗浄した後、潤滑剤を再封入してください。
- 80℃を超えての使用は避けてください。
- 製品に位置決め部品(ピン、キー等)を無理に打ち込まないでください。転動面に圧痕が生じ機能を損失する原因となります。
防塵と潤滑
- LMローラーは、防塵が不完全で転動面に異物を噛み込むと排除されにくくなっています。転動面やLMローラーを著しく損傷する場合が多いので、防塵には特に注意してください。
- LMローラーの取付金具SE形、SEB形には、特殊ゴムのワイパがセットされておりますので防塵効果を高めます。なお取付時に図1のようにダブルリップの間にグリースを封入するとより効果的です。
-
切削粉や溶接スパッタなどがかかる箇所には、ジャバラ、テレスコピックなどの防塵カバーを使用するか、図2 のような金属板で補強されたワイパの検討が必要です。
-
側面の防塵対策には図3に示すような方法があります。
- 給脂量はすべり案内に比べ極めて少量で良く、潤滑管理は容易です。
潤滑剤は一般ベアリングと同様のグリースあるいは潤滑油で充分ですが、潤滑剤の保持の面から、グリースの場合はリチウム石けん基グリース1号あるいは2号、油の場合はやや粘性の高い摺動面用油やタービン油が適しています。
LMローラーへの給脂方法はリテーナの裏側にあいている給脂穴から適時滴下するか、相手転動面にじかに滴下あるいは塗布します。使用頻度の少ない場合は、LMローラーのローラー部にグリースを塗布する方法もあります。 - 異なる潤滑剤を混合しての使用は避けてください。増ちょう剤が同種類のグリースでも、添加剤などが異なることにより、お互いに悪影響を及ぼす恐れがあります。
- 微小ストロークの場合は、転動面と転動体の接触面に油膜が形成されにくく、フレッチングを生じることがありますので耐フレッチング性に優れたグリースをご使用ください。また、定期的にLMローラー長さ程度のストローク移動を加えることにより転動面と転動体に油膜を形成させることを推奨します。
- 常に振動が作用する箇所、クリーンルーム、真空、低温・高温などの特殊環境下で使用される場合は、仕様・環境に適したグリースをご使用ください。
- 温度によりグリースのちょう度は変化します。ちょう度の変化によってLMローラーの摺動抵抗も変化しますのでご注意ください。
- 給脂後はグリースの撹拌抵抗によりLMローラーの摺動抵抗が増大する可能性があります。必ず慣らし運転をおこない、グリースを十分なじませてから、機械の運転をおこなってください。
- 給脂直後は余分なグリースが周囲に飛び散る可能性がありますので、必要に応じて拭き取ってご使用ください。
- グリースは使用時間とともに性状は劣化し潤滑性能は低下しますので、使用頻度に応じたグリース点検と補給が必要です。
- 使用条件や使用環境により給脂間隔が異なります。最終的な給脂間隔・量は実機にて設定願います。
取付基準面
進行方向に正しく取付けるために、LMローラーには軌道台側面に取付基準面が設けてあります。その面はTHKマークの反対側になります。
取付精度
LMローラーの性能を十分発揮させるには、ローラーに対して、できるだけ均等な荷重が分布するよう注意して取付ける必要があります。図4に示すローラーと転動面の平行度は、100mmに対し0.015mm以下を推奨します。また、ローラーの長手方向の許容傾斜量は、100mmに対し0.01mm以下を推奨します。
保管
LMローラーは、弊社の梱包および荷姿で、高温、低温、多湿を避け、水平な状態で室内に保管してください。
廃棄
製品は産業廃棄物として適切な廃棄処置をおこなってください。