静的安全係数(SKR)

LMガイド部

実際の使用においては、特に急激な起動停止、オーバーハングによる大きなモーメント荷重等によりLMガイド部に予想を超える大きな荷重が作用し、破損につながることがあるため、静的安全係数fsを考慮する必要があります。静的安全係数fsは負荷荷重と基本静定格荷重の関係から求められ、使用条件による静的安全係数の目安を表1に示します。

fs 静的安全係数
C0※1 基本静定格荷重 (N)
Pmax 最大負荷荷重 (N)
ボールねじ部・軸受部(固定側)

ボールねじ部、軸受部では、計算された最大軸方向荷重と静定格荷重の関係から求められる静的安全係数fsを考慮する必要があります。振動、衝撃、および起動停止による慣性力が作用する場合、想定以上の荷重が作用することがありますので、形番を選定する際には、十分な静的安全係数が確保されているか確認してください。使用条件による静的安全係数の目安を表1に示します。

fs 静的安全係数
C0a※1 基本静定格荷重 (N)
Fmax 最大負荷荷重 (N)
静的安全係数(fs)の目安
表1  静的安全係数(fs)の目安
荷重条件※2 fsの下限
振動・衝撃のない場合 2~
振動・衝撃が作用する場合 5~
  • ※1 基本静定格荷重とは最大応力を受けている接触部において、転動体の永久変形量と転動面の永久変形量との和が、転動体の直径の0.0001倍になるような方向と大きさの一定した静止荷重を言います。
  • ※2 一般に振動・衝撃が作用する要因としては、加減速、急激な稼動停止、外部の装置あるいは機械からの振動・衝撃の伝達、加工力の時間的な変化等が考えられます。