剛性の予測
ラジアルすきま(予圧)の選定
LMガイドのラジアルすきまは、走り精度、耐荷重性能や剛性に大きく影響するので、用途に応じた適切なすきまの選定が大切です。一般的には、往復運動から生じる振動・衝撃を考慮して、マイナスすきま(予圧 ※ を与えた状態)を選定することが寿命および精度に好影響をもたらします。
それぞれの使用条件に応じて最適のすきまを選択しますので、THKにお問い合わせください。
なお、LMガイド(分離形のHR形、GSR形、GSR-R形は除く)は、すべてご指定のすきま調整がなされた状態で出荷されますので、予圧の調整が不要です。
※予圧(プリロード)とは、LMブロックの剛性を高めるため、あらかじめ転動体(ボール、ローラー)に与える内部荷重をいいます。
普通すきま | C1すきま(軽予圧) | C0すきま(中予圧) | |
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使用条件 |
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適用例 |
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予圧を考慮した寿命
LMガイドに中予圧(C0すきま)をかけて使用する場合は、その予圧荷重を考慮して寿命計算を行う必要があります。
予圧荷重は形番を選定の上、THKにお問い合わせください。
剛性
LMガイドに荷重を作用させるとボールやLMブロックは負荷許容範囲で弾性変形します。その変位量と負荷荷重の比率を剛性といいます。LMガイドは変位量を抑えるため、適切なラジアルすきま(予圧)を選定できます。
溝寸法より大きめのボールを使用することで、転動溝を転がるボールは常に弾性変形することで荷重のかかっている状態を維持し、LMガイドの変位量を抑えることができます。
予圧の効果は、作用する外力が2.8倍になるまで効果があります。それを超えると予圧は開放され、予圧の効果はなくなります。
外部から負荷を受けた時、予圧が作用していると変位量は直線的となり、その変位量は予圧がかかっていない場合の約1/2となります。
予圧は変位量の低減以外に、振動、衝撃による早期破損の防止にも効果があります。
K | 剛性値 (N/μm) |
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δ | 変位量 (μm) |
P | 計算荷重 (N) |