許容軸方向荷重の算出

水平使用の場合

一般的な搬送装置で、ワークを水平往復させる場合の軸方向荷重(Fan)は下式のようになります。

垂直使用の場合

一般的な搬送装置で、ワークを上下往復させる場合の軸方向荷重(Fan)は下式のようになります。

静的安全係数

基本静定格荷重(C0a)とは、一般的にボールねじの許容軸方向荷重となります。使用条件によって計算荷重に対してつぎのような静的安全係数を考慮する必要があります。ボールねじが静止あるいは運動中に、衝撃や起動停止による慣性力の発生などにより思わぬ外力が作用することがありますのでご注意ください。

表18 静的安全係数 (fs)
使用機械 荷重条件 fsの下限
一般産業機械 振動・衝撃のない場合 1.0~3.5
振動・衝撃が作用する場合 2.0~5.0
工作機械 振動・衝撃のない場合 1.0~4.0
振動・衝撃が作用する場合 2.5~7.0

※基本静定格荷重(C0a)とは、最大応力を受けている接触部において、転動体の永久変形量と転動面の永久変形量との和が、転動体の直径の0.0001倍になるような、方向と大きさの一定した静止荷重を言います。ボールねじでは、軸方向荷重で定義してあります。(ボールねじの個々の値は各形番の寸法表中に記載してあります。)

許容荷重に対する安全率(HBN-V/HBN-K(KA)形/HBN形、SBKH形)

高負荷ボールねじHBN-V/HBN-K(KA)形/HBN形、SBKH形は従来のボールねじに対し、高負荷条件下において長寿命が実現できる設計がなされており、軸方向荷重に対しては許容荷重Fpを考慮する必要があります。許容荷重Fpとは高負荷ボールねじが受けられる最大軸方向荷重のことであり、これを超えない範囲でご使用ください。
また、実際に作用する軸方向荷重が衝撃等により変化する場合は、許容荷重Fpに対し安全を考慮してください。