駆動モータの検討
ボールねじを回転させる駆動モータは通常、回転数、回転トルク、最小送り量より検討します。
サーボモータを使用する場合
回転数
モータに必要な回転数は、送り速度、ボールねじのリード、減速比から(52)式により求められます。
必要分解能
エンコーダとドライバに必要な分解能は、最小送り量、ボールねじのリード、減速比から(53)式により求められます。
モータトルク
モータに必要なトルクは、等速時、加速時、減速時により異なります。回転トルクは回転トルクの検討を参照し、算出してください。
- 最大トルク
モータに必要な最大トルクは、モータの瞬時最大トルク以下にする必要があります。
Tmax ≦ Tpmax
Tmax :モータに作用する最大トルク
Tpmax:モータの瞬時最大トルク - トルクの実効値
モータに必要なトルクの実効値を算出する必要があります。トルクの実効値は(54)式により求められます。
算出したトルクの実効値はモータの定格トルク以下にする必要があります。
Trms≦TRTR :モータの定格トルク (N・mm)
慣性モーメント
モータに必要な慣性モーメントは(55)式により求められます。
(通常3~10ですがモータ、ドライバにより異なりますので、モータメーカーのカタログで確認してください。)
モータの慣性モーメントは、算出したJM以上にする必要があります。
ステッピングモータ(パルスモータ)を使用する場合
最小送り量(1ステップあたりの送り量)
モータとドライバによる必要なステップ角は、最小送り量、ボールねじのリード、減速比から(56)式により求められます。
パルス速度とモータトルク
- パルス速度
パルス速度は、送り速度と最小送り量から(57)式により求められます。 - モータの必要トルク
モータに必要なトルクは、等速時、加速時、減速時により異なります。回転トルクは回転トルクの検討を参照し、算出してください。
以上よりモータに必要なパルス速度とそのときの必要トルクが算出できます。
モータによりますが、通常安全のため算出トルクの値を2倍にし、モータの速度‒トルク曲線で使用可能か検討します。