新経営方針「ROE10%超の早期実現」の進捗
強くすべきところは徹底的に強くし、変えるべきところは勇気をもって変えていく
ROE10%超への取り組みと進捗
当社は2024年11月に新たな経営方針「ROE 10%超の早期実現」を発表しました。その達成に向け「収益性と資本効率を重視した経営の推進」を掲げ、資本コストを意識した事業の選択と集中、持続的な成長に向けた事業の競争力強化につながる規律性の高い投資の実行、そして資本政策の見直しを実施しています。さらにこれらの実効性を高めるべく、コーポレートガバナンスの進化も図っています。2026年度までの2年間を構造改革期間とし各種改革を推し進め、筋肉質な高収益構造へと変革し、2027年度~29年度の間にROE10%超を実現します。
“ROE10%超”への道筋
輸送機器事業においては、当社に期待される資本コストと投下資本利益率(ROIC)を将来的にも厳しく精査する中で、事業を譲渡することが相応しいとの判断のもと、2026年2月2日の取締役会において事業を譲渡することを決定しました。これにより輸送機器事業の「選択と集中」は完遂となります。
産業機器事業においては、社長自らが全社員に対してメッセージを発信するとともに、日本国内外の拠点を回り、背景、成すべきこと、想い等を直接伝え、実現に向けた社員の意識を高めてきました。一方、実行面においては、ROE10プロジェクトを発足させ、各機能や目的ごとのワーキンググループを組成し、外部専門家の支援のもとに、各種活動を推し進めています。
*1 成り行き積上げ額:経営方針発表時のFY2025の増減見込額+FY2027~FY2029は売上高成長率 年2%平均、労務費・人件費 年4%強平均で増加する前提で試算
*2 FY2025の一過性のマイナス要因と数量効果のマイナス効果を除く
これまで取り組んできたこと、これから取り組むことを掘り下げると、まず2025年度に取り組んだ施策の総件数は78件で、そのうち進行中のものが77%、方針は検討中でまだ実行段階にないものが23%です。固定費においては、販売面では一部販売拠点の見直しを進めており、2026年度も継続します。生産面では、グローバルで生産品目および生産最適地の見直しを進め、2026年度から順次実行に移していきます。その他、人員最適化計画を策定し、今年度からその実行により固定費を削減していきます。変動費においては、販売面では日本を中心に価格の適正化を実施しました。需要が拡大していく中で、その効果はこれから本格化すると想定しています。さらに、2026年度はその地域や対象を拡大することで効果を広げていく予定です。生産面では、部材の計画的な集約発注、内外製・加工工程の見直し、物流コスト削減等を進めるとともに従前からの施策について、実施の徹底および深化をしながらモニタリング体制を強化しました。2026年度は生産プロセスや業務フローの抜本的見直し、使用部材のさらなるコストダウンを図ってまいります。このように各種取り組みを推し進める一方で、インフレ等の逆風により不足リスクを認識していることも事実です。これに対しては、さらなる人員最適化の加速、間接費削減ワーキンググループの追加投入および物流コストのさらなる削減等のリカバリ施策を、2026年度から新たに追加投入することで、目標を達成してまいります。
成長分野における増益
産業機器事業の機械要素部品ビジネスにおいては、グローバルの事業基盤を活かしながら、特に成長が期待される半導体を中心とした重点7分野においてグローバルでタスクフォースを組み、業界・地域ごとのニーズに対して、きめ細かな対応が可能になってきています。また、グローバルの最先端分野におけるニーズの発掘とそれを反映する仕組みを強化すべく、開発部門の組織変更を実施したこと等により企画・開発件数が、今後大幅に増加する見込みです。
FAソリューションビジネスにおいては、マシンビルダーに加え、より広範なマシンユーザーのニーズに対応すべく、メカトロ・モジュール、IoT・AIを成長領域と定め、製品やサービスを展開しており、順調に拡大しています。さらなる成長を図るため、足りない機能については、アライアンス・M&Aも積極的に活用していきます。
資本効率を重視したBSマネジメント
輸送機器事業の譲渡に伴う事業整理損失を816億円計上したことにより、2025年度の当期損失は698億円となりました。一方で「ROE10%超の早期実現」に向けた資本政策に基づき実施した400億円の自己株式は全て消却が完了しました。さらに、自己資本配当率DOEによる高水準の配当を継続しており、自己資本は前期に比べ、1,223億円減少しました。ROE10%超を実現するまではDOE8%を継続しますが、その達成後も、安定的な株主還元を継続できるよう株主資本コストを上回るROEはもちろんのこと、その水準をさらに高めていきます。
コーポレートガバナンスの進化
これらの取り組みの実効性を高めるべく、取締役会構成の見直し、第三者機関による取締役会実効性評価の継続、スキル・マトリックスの見直し、企業価値向上を意識した役員報酬制度の改善、人事評価制度の見直し、サクセッションプランの策定等、様々な改善を実施しました。さらに、経営方針および持続的な企業価値向上の実現という観点に立ち、取締役に求められる8つのスキルを新たに選定し、個々の取締役の対応状況を確認のうえ、スキル・マトリックスを見直しました。
ROE10%超の達成後について
これらによってROE10%超を早期に実現し、その達成後も安定的な株主還元を継続できるよう、株主資本コストを上回るROEはもちろんのこと、その水準をさらに高めていくことにより、企業価値向上を図っていきます。