省エネルギー・地球温暖化防止
カーボンニュートラルへの取り組み
THKグループは企業活動による「負の影響の最小化」と「正の影響の強化」により、社会と企業がサステナビリティに代表される共通価値の創造につながることを踏まえ、個の最適化だけではなく全体最適で行動していくという考えのもと、持続可能な社会の実現に向け
た様々な取り組みを進めています。特に世界が直面する課題である地球温暖化がもたらす気候変動リスク対応として、温室効果ガス排出量削減の「中期目標」および「長期目標」を2021年8月に策定しました。
まず「負の影響の最小化」対応としてはカーボンニュートラル推進プロジェクトを発足させ、事業活動内のCO2排出量のさらなる削減に取り組んでいます。一方「正の影響の強化」対応としては、省エネに貢献する直動製品をはじめとする製品やサービスの拡充を図っています。目標達成に向け、今後も様々な取り組みを加速させていきます。
【中期目標】
- 2030年CO2排出量:基準年2018年 50%削減
- 対象範囲:THK日本、日本グループ
【長期目標】
- 2050年CO2排出量:実質ゼロ
- 対象範囲:THKグループ全体
2023年度を振り返って
THK日本、日本グループ、海外グループの各生産拠点を中心にカーボンニュートラルに向けた活動を推進しました。その結果、THK日本、日本グループのCO2排出量は85,103 t-CO2となり、基準年2018年度比20%削減、2022年度比17%削減となりました。
活動の一例として、4生産拠点(山形、THK新潟、THK遼寧、THKリズムタイ)で太陽光発電設備の新規導入を図り、12月末時点では計10拠点で再生可能エネルギーを活用しています。発電量は10,875 MWh、2022年度比159%増加しました(次ページの環境負荷の全体像の再生可能エネルギー欄参照)。さらに、生産設備等の高効率化機種への更新、LED照明への切り替え等を積極的に進めました。各拠点での活動内容は、HP上で詳しく紹介しています。ぜひ、ご覧ください。
各拠点の環境活動結果は、各種会議体を通じて共有され、有効な手段については他事業所で横展開される体制を構築しています。
環境に関する主な会議体
年度計画 | 内容 | 結果 |
---|---|---|
環境委員会 | THKグループの環境に関する目標や方針、推進計画の決議、実施状況の報告 | 年4回(2、5、8、11月)開催 |
環境対策総合会議 | THK日本(管理部門、生産拠点)および関連グループ生産拠点の環境に関する取り組みを報告 | 年2回(2、9月)開催 |
カーボンニュートラル推進プロジェクト会議 | THK日本(生産拠点)およびTHK新潟のカーボンニュートラルに関する取り組みを報告 | 年4回(1、5、7、11月)開催 |
外部認証
ISO14064 - 第三者認証 ー
2023年度(2023年1月1日~12月31日)のScope1*1、Scope2*2のGHG排出量算定について一般財団法人日本品質保証機構のISO14064-3に定める算定ルールに準拠している旨、第三者検証を受けています(検証基準ISO14064-3、限定的保証水準)。
2023年度 THK株式会社 GHG排出量 算定報告書
対象範囲: 6生産拠点(山口、山形、甲府、三重、岐阜、THK新潟)
対象項目:Scope1*1、2*2のエネルギー起源CO2
Scope1 | 7,816 t-CO2 |
---|---|
Scope2 | 60,423 t-CO2 |
合計 | 68,239 t-CO2 |
*1 Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出
*2 Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
ISO14001 - 認証取得事業所 ー
日本
生産拠点 | 所在国 | 審査機関 |
---|---|---|
山形工場、甲府工場、岐阜工場、三重工場、山口工場、THK新潟 | 日本 | JQA |
THKリズム本社、浜松工場、引佐工場、九州工場 | JIA | |
THKインテックス本社、三島工場、仙台工場 | ClassNK |
欧州
生産拠点 | 所在国 | 審査機関 |
---|---|---|
THK Manufacturing of Europe | フランス | AFAQ |
THK RHYTHM AUTOMOTIVE GmbH | ドイツ | DQS |
THK RHYTHM AUTOMOTIVE CZECH | チェコ | DQS |
米州
生産拠点 | 所在国 | 審査機関 |
---|---|---|
THK Manufacturing of America | アメリカ | SAI GLOBAL |
THK RHYTHM NORTH AMERICA | SQA | |
THK RHYTHM AUTOMOTIVE MICHIGAN | DQS | |
THK RHYTHM AUTOMOTIVE CANADA(Tillsonburg) | カナダ | DQS |
THK RHYTHM AUTOMOTIVE CANADA(St.Catharines) | DQS |
アジア
生産拠点 | 所在国 | 審査機関 |
---|---|---|
無錫工場 | 中国 | TÜV |
大連THK工場、遼寧工場 | TÜV | |
THKリズム(常州)汽車配件有限公司 | BUREAU VERITAS |
|
THKリズム(広州)汽車配件有限公司 | SGS | |
THK RHYTHM MALAYSIA | マレーシア | DQS |
THK RHYTHM(THAILAND) | タイ | URS |
取り組みと実績
LED更新状況
2023年度のLED更新状況および効果は以下の通りです。
拠点 | 場所 | 時期 | 種別および本数 | 削減量 | |
---|---|---|---|---|---|
電気使用量(kWh) | |||||
山形 | 第一、第二、第三工場および工場外周 | 8月 | 水銀灯、メタルハライドランプ×492 蛍光灯×1,689 |
86,700 | |
甲府 | 各所 | 5月 | 蛍光灯×1,056 | 24,648 | |
三重 | 第二工場ミエテック | 5月 | 蛍光灯×92 | 7,328 | |
山口 | A,B,C地区 | 11月 | 水銀灯×356 | 592,612 | |
蛍光灯×1,099 | 104,118 | ||||
THKリズム浜松 | ポール外灯 防犯灯 |
10月 | ナトリウム灯×3 蛍光灯×9 |
1,118 | |
THKリズム九州 | 事務所 | 11月 | 蛍光灯×17 | 430 | |
TMA | ダイキャスト(LB)天井用蛍光灯 | 1~10月 | 蛍光灯×348 | 57,849 | |
組立(LB) | 1~10月 | メタルハライド×12 | 28,934 | ||
事務所蛍光灯 | 1~10月 | 蛍光灯×263 | 48,761 | ||
組立(LM) | 1~10月 | 蛍光灯×682 | 197,736 | ||
TRA DUS | 事務棟と生産現場 | 7月 | 蛍光灯×964 | 73,752 | |
TRA Czech | 梱包エリア | 8月 | 蛍光灯×122 | 35,490 | |
生産現場 | 2月 | 蛍光灯×90 | 16,919 | ||
更衣室 | 9月 | 蛍光灯×100 | 18,799 | ||
1月 | 蛍光灯×36 | 3,514 | |||
事務所 | 7月 | 蛍光灯×38 | 4,740 |
各生産拠点での取り組み
山形工場
外気取り入れ方法の見直し
第2工場の空調で使用する外調機の外気取入れ方法の見直し改善を行い、冬季LPG使用量の削減を行いました。結果、CO2排出量約12.0t-CO2/年、エネルギー使用量原油換算約52.0kℓ/年の削減となりました。
甲府工場
空調設備の更新
第1工場5台、第2工場2台、第4工場の通路1台の空調設備を12月末までに更新しました。結果、CO2排出量約1.3t-CO2/年、エネルギー使用量原油換算約3,000kWh/年の削減となりました。
温水ポンプ入れ替え
7月にボイラー室で使用している温水ポンプをトップランナー機種に更新しました。
結果、CO2排出量約7.2t-CO2/年、エネルギー使用量原油換算約16,118.4kwh/年の削減となりました。
岐阜工場
空調機更新
10月に事務所、食堂、会議室等で使用しているビルマルチ空調機を老朽化の理由により、高効率空調機に更新しました。結果、CO2排出量約21.0t-CO2/年、エネルギー使用量原油換算約12.0kℓ/年の削減となりました。
GREEN電気の購入
11月からCO2フリー電力であるGREEN電気を使用電力量の20%毎月購入する契約を締結しました。結果、CO2排出量約165.0t-CO2/年の削減となりました。
三重工場
空調設備の更新
第1研削工場12台の空調設備更新工事が12月に完了しました。結果、CO2排出量約58.0t-CO2/年、エネルギー使用量原油換算約49.7kℓ/年の削減となりました。
遮熱フィルムの貼り付け
空調動力費削減のために、第1研削工場南側の窓に遮熱フィルムの貼り付け工事を8月に実施しました。結果、CO2排出量約4.5t-CO2/年、エネルギー使用量原油換算約2.9kℓ/年の削減となりました。
ショット装置の更新
熱処理工場のショット工程で使用しているショット装置2台を5月にコンプレッサー動力の削減のためにコンプレッサー式からインペラ式に変更しました。結果、CO2排出量約12.4t-CO2/年、エネルギー使用量原油換算約8.2kℓ/年の削減となりました。
ヒーターの更新
焼き入れ工程で使用している2台のうちの1台の真空浸炭炉ヒーターを3月に更新しました。結果、CO2排出量約4.9t-CO2/年、エネルギー使用量原油換算約3.2kℓ/年の削減となりました。
山口工場
エアコンの更新
5月にテクニカル工場生産技術統括部の測定室パッケージエアコンを高効率タイプに更新しました。結果、CO2排出量約0.42/年、エネルギー使用量原油換算約0.2kℓ/年の削減となりました。
THK新潟工場
水冷チラーの設定温度
第3工場1階恒温室の空調機で使用している水冷チラーの設定温度を負荷の小さい冬季期間に9℃⇒12℃へ変更しました。結果、CO2排出量約6.0t-CO2/年削減、エネルギー使用量原油換算約3.4kℓ/年の削減となりました。
遮熱塗装
5月に第1工場パッケージエアコン2台の室外機に遮熱塗装を行い、夏季期間の消費電力削減を図りました。結果、CO2排出量約0.7t-CO2/年削減、エネルギー使用量原油換算約0.4kℓ/年の削減となりました。
静電気除去シートの敷設
第3工場2階天井カセット型エアコンに静電気除去シートを11月に全数設置完了し消費電力の削減を図りました。結果、CO2排出量約4.8t-CO2/年削減、エネルギー使用量原油換算約2.5kℓ/年の削減となりました。
THKリズム 浜松工場
コンプレッサー更新
9月にコンプレッサー室で使用している75kwインバーターコンプレッサー2台を高効率のものに更新結果、CO2排出量約15.2t-CO2/年、エネルギー使用量原油換算約10.1kℓ/年の削減となりました。
蒸気ボイラーの更新
5月にカチオン塗装工程で使用しているLPG蒸気ボイラー1.2tを高効率のものに更新しました。結果、CO2排出量約4.2t-CO2/年、エネルギー使用量原油換算約1.8kℓ/年の削減となりました。
断熱材の取り付け
アルミスタビライザーのシャンク鋳造工程で使用しているアルミ溶解炉を3月に放熱抑制のため断熱材を取り付けました。結果、CO2排出量約21.6t-CO2/年、エネルギー使用量原油換算約9.5kℓ/年の削減となりました。
THKリズム 九州工場
貨物エレベーターの更新
7月に貨物エレベーターを老朽化のために、高効率化のものに更新しました。結果、CO2排出量約0.5t-CO2/年、エネルギー使用量原油換算約0.2kℓ/年の削減となりました。
無錫工場
インバーター機能の追加
研削工程、ブロック荒加工、レール荒加工等の加工設備133台の付属ミストコレクターに通年をかけてインバーター機能を追加し、必要風量の設定を行いました。結果、CO2排出量約213.0t-CO2/年、エネルギー使用量原油換算約80.0kℓ/年の削減となりました。
インバーター仕様への更新
12月にブロック荒加工設備の付属油圧装置10台をインバーター仕様に更新しました。結果、CO2排出量約10.6t-CO2/年、エネルギー使用量原油換算約4.0kℓ/年の削減となりました。
ラインの自動化
8月にレール研削工程の第一、第二生産ラインを自動化しました。結果、照明時間を大幅に減らすことにつながりました。結果、CO2排出量約21.7t-CO2/年、エネルギー使用量原油換算約8.2kℓ/年の削減となりました。
TME (フランス)
可変速コンプレッサーの導入
工場の製造全工程にて利用されている空圧供給を目的にセントラルコントロール付きの可変速コンプレッサー2台を10月に導入しました。旧設備は劣化していたため、今後導入予定設備のエアー供給を考慮しています。結果、CO2排出量約88t-CO2/年、エネルギー使用量原油換算約43.2kℓ/年の削減となりました。
TMA (アメリカ)
日常点検他
通年でエアリークの修理74か所および非生産時間中のエアコンプレッサーの停止を行いました。結果、CO2排出量約121.0t-CO2/年、エネルギー使用量原油換算約30.2kℓ/年の削減となりました。
TRA Gellep (ドイツ)
フォークリフトの電動化
1月から順次フォークリフト10台を電動タイプに切り替えました。結果、CO2排出量約41.3t-CO2/年の削減となりました。
電気自動車の採用
1月に社有車1台を電気自動車に切り替えました。結果、CO2排出量約0.6t-CO2/年の削減となりました。
日常点検
コンプレッサーのエアー漏れ点検を通年行いました。結果、CO2排出量約12.3t-CO2/年の削減となりました。
グリーン物流
THKリズム 浜松工場
6月からTHK海外向け出荷品は、納品先の北九州までの輸送をトラック便から鉄道輸送便の混載便に変更しました。結果、CO2排出量約366.0t-CO2/年の削減となりました。
太陽光発電
再生可能エネルギー設備の新規導入を当社生産拠点では積極的に展開しています。2023年度は、下記拠点で太陽光パネルの設置を行いました。
山形工場
PPAを活用し、2月に第1工場に設置しました。結果、CO2排出量約1,024.6t-CO2/年、原油換算量約695.0kℓ/年の削減となっています。
THK新潟工場
PPAを活用し、10月に第4工場に設置しました。発電した電力は100%自社工場で消費しましたが、CO2排出量約236.4t-CO2/年、原油換算量約133.0kℓ/年の削減効果となっています。
遼寧工場 (中国)
THK遼寧では、4月に新工場(三期工場)に設置しました。発電量は工場全体電気使用量の7.9%となり、使用用途は全て自社で消費しております。結果、CO2排出量約1,834.6t-CO2/年、原油換算量約236.0kℓ/年の削減となっています。
TRTC工場 (タイ)
THKリズムタイ工場では、1月に工場屋根全体に設置しました。発電量の使用用途は約87%が自社工場で消費、残り約13%は売電しています。結果、CO2排出量約420.7t-CO2/年、原油換算量約202.9kℓ/年の削減となっています。