TCFD

TCFD 戦略項目

THKグループは、マテリアリティの一つとして「気候変動」を掲げ、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に沿ったシナリオ分析を行っています。TCFD提言の中核的4要素の一つ「戦略」については、IEA(国際エネルギー機関)やIPCC(気候変動に関する政府間パネル)による気候変動シナリオ(1.5℃シナリオおよび4℃シナリオ)を参照し、2050年までの長期的な影響を踏まえ、当社の産業機器事業および輸送機器事業(いずれも日本)を中心に分析しています。

気候変動に関する主なリスク/機会と対策

シナリオ 要因 変化 リスク/機会 評価 当社への影響 当社の対策

1.5℃

炭素税の導入

調達コスト増加

リスク

炭素税導入により、原材料への価格転嫁が進み、調達コストが増加

  • 原材料投入量の削減
  • 炭素税の低い原材料への切り替え

操業コスト増加

リスク

炭素税導入により、日本のScope1、2の排出量に応じて炭素税の支払いコストが増加

  • 省エネ生産技術の開発
  • 低炭素、非化石エネルギーへの転換

再生可能エネルギーへの切り替え

エネルギー調達コスト増加

リスク

再生可能エネルギーへの切り替えにより、エネルギー調達コストが増加

  • 太陽光発電設備の設置による再生可能エネルギーの内部調達

省エネニーズの高まり

環境対応技術ソリューションの需要増加

機会

エネルギー効率の向上を目的とした自働化および効率化のための設備設計、製作、改造、製品需要が増加

  • 省エネ化に寄与する当社製品(LMガイド、電動アクチュエータ、ユニット品等)の供給強化

半導体ビジネス機会拡大

機会

省エネ化のコアとなるパワー半導体を中心に、半導体製造装置部品の製造を始めとしたビジネス機会が拡大

  • 柔軟かつ迅速に対応する開発、生産、営業の体制整備

故障診断・予兆検知サービスの需要増加

機会

生産性向上に貢献し、エネルギーロスの削減を実現する、IoT技術を駆使した故障診断・予兆検知サービスの需要が増加

  • 生産性向上に貢献するIoTサービスの拡充ならびに営業およびソリューションの強化

EV化の進展

EV車関連部品の需要増加

機会

EV化に伴い新たな製品が求められるようになり、当社製品の需要が拡大

  • 柔軟かつ迅速に対応する開発、生産、営業の体制整備
  • 新規ビジネスの企画

環境貢献ビジネスの拡大

ESG投資増加

機会

環境に貢献するビジネスを拡大することで、投資家の関心、評価が高まり、ESG投資が増加

  • 柔軟かつ迅速に対応する開発、生産、営業の体制整備
  • 積極的な情報開示、ステークホルダーとのコミュニケーション強化

4℃

気象災害の激甚化

サプライチェーン寸断

リスク

原材料調達先の被災による、原材料供給の停止

  • 原材料調達先の分散化
  • 代替調達先の確保

気温上昇対応コスト増加

リスク

気温上昇による、工場、物流拠点、オフィス等の空調コスト増加

  • 建屋の断熱性能向上